失われる素材の香りと味わい

とあるお店にあった人参の説明。
「甘くて人参臭くない」、要するに人参の香りと味わいがないということか。
もしかしたら「売る」ための言葉であって、食べてみたら実際は美味しいのかもしれないけど、この説明通りに受け取れば、もはや人参ではないことになる。




きっと人参嫌いな人に食べやすく品種改良か何かして作られたものだと思うんだけど、嫌いな人は食わなくていいじゃん。人参の香りも味わいもないものを人参嫌いな人が食ったからってなんになるの?なんで人参を否定するの?嫌いな人に合わせるとか本当にやめて欲しい。
こうやって日本の食は失われていく。




野菜も果物も甘けりゃ売れるのか知らないけど、果物も大概「甘くて美味しい」とか糖度のことしか言わないよね。まあ、実際甘ったるいだけのものか甘さも香りもなく無味のものが多いけど。

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COMMENT10

えり  

No title

「なんで人参を否定するの?」

凄くグッときました。
コジータさんの考え、本当に大好きです。

点眼  

No title

もう一つ 突っ込みコメ書かしてもらいます。 納得出来ない物の一つ 秋口に出る青いみかん あれ何?意味わからない。?

1031  

No title

お菓子は「甘くなーい」なのにね(笑)

65  

No title

トマトなんかも、店頭で美味しいとされるものはただ甘いばかりでトマトの味がするものがないですよね。
農家直売とかで買うとまともなのもあるのですけど、どうして出回らないのでしょう。

レギューム  

No title

確かに今の品種改良は画一的であるのは事実です。このソムリエさんも、現在の消費者に迎合した表現をしている向きはありますが、写真をみるとあながち見当はずれでもないと思います。にんじんは、原産地から伝搬してゆく間にいくつもの系統に分化しており、上の写真は東洋種、下の写真は西洋種のナンテス群に見えます。日本で広くというか単一的に流通したのが、西洋種のチャンテネー群であり、これがいわゆる人参臭の強いタイプなのですね。ですから、日本人の私達がにんじんは人参臭いものだ、という常識は必ずしも世界標準の認識だとも言えないんですね。この中では、東洋種の金時人参がもっとも臭いがなく、甘味が強いです。これは、品種改良というより、品種特性です。また、糖度の話をすると、やたらと糖度の高さを売りにして甘いから美味しい的な商売が目につくのは不快ではありますが、一方である程度の品質の良さの目安となることも否めません。糖度とは濃度の高さを表す数字で、糖分だけを表すものではありませんので、養分がよく蓄積されている、ともいえるのです。
甘いだけで味わいのない食べ物が確かに氾濫しています。でも、大切なのは盲目的に批判することでもなく、逆に与えられる情報を盲目的に受容することでもなく、何が真実なのかを客観的に自分で判断する姿勢ではないでしょうか。作られた一つの価値観に迎合せず、多様性、多重性を容認する深さがあれば、この国の食はもっと成熟するのでしょうね。
思わず長文失礼しました。

コジータ  26歳  

No title

えりさんへ

ありがとうございます。
思ったことを書いていきます。

コジータ  26歳  

No title

点眼さんへ

なんかありますね、甘ったるいだけじゃなく酸味もあって意外とおいしいということはないんですかね?

コジータ  26歳  

No title

1031さんへ

そうなんです(笑)
お菓子は何故か甘くないのが一般的に好まれますね(笑)
もちろん甘いだけとか甘すぎはいけませんけど。

コジータ  26歳  

No title

65さんへ

トマトは酷いですね(笑)
水っぽいだけで全然味がないですよね。甘いだけのとかもありますね。
スイカでもたまにあるザラザラしたようなスカスカな食感のものとか。

コジータ  26歳  

No title

レギュームさんへ

とても詳しいですね、コメントありがとうございます。
おそらくレギュームさんは分かっていると思いますが、僕が言いたいことは、簡単に言えば人参に限らず素材の香りや味わいを否定し、嫌いな人でも食べやすいようにとか万人受けするために甘くするなどの改良などやめて欲しいということです。
何度か書いてますが、本当に日本の野菜や果物は味わいも香りも無いものばかりで、あっても甘さだけです。なかには美味しいものもあると思いますし、あってほしいです。
こう言えるのも、僕の家は昔、様々な野菜を作っていて(特別なものではないと思いますけど)それを食べて育っているので、スーパーに並んでいる野菜を食べて味のなさにビックリします。
また、野菜ソムリエなる人なら、いわゆる西洋系の人参との違いの説明じゃなく、金時人参ならその金時人参というものがどう美味しく、どんな香りや味わいなのか説明してもらいたいですね。「人参臭くない」では人参を否定してます。だって人参なんですよね。食に関心がある人からすると味がないのかと思ってしまいます。実際その通りかもしれないけど・・。
「売りたい」という精神性しか見えてきません。

色々説明ありがとうございます。ですが、品種特性とは言いますが、結局改良されまくってますよね?他と比べてそういう特性はあるでしょうが。また、本来なら金時人参特有の香りもあるはずですよね。
個人的には果物の糖度(Brix)の無意味さを感じます。有益な養分が含まれ美味しいものもあるかもしれませんが、結局糖度が高いだけで不味いものが多いわけですから目安になりますかね?知ってる人ほど無意味に感じるのではないでしょうか。
糖度と美味しさは繋がらないし、「甘くて美味しい」が好きな消費者を釣るだけの数値に感じます。
甘ったるいだけの果物もどうにかして欲しいですね。葡萄とか砂糖水ですからね・・。

僕にはどうすることもできないし、それぞれ個人で判断すれば良いのですが、食に関心がない人が大多数だと思いますのでどんどん悪い方向にしか行かないように思ってしまいますね。
素材の持つ香りや味わいが悪者とされ、どんどん失われていきます。昔、畑で採れた野菜の味わいに出会えない。